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小学校中学年向けの、ふむふむ、なにやら面白い本に出合いました。

『青いあいつがやってきた!?』
 松井ラフ・作 大野八生・絵 文研出版

4年生のサトシは、2週間前に庭付きの広い家に引っ越してきた。ところが、パパはいきなり転勤、ママも仕事を始めて、サトシはひとりぼっち。学校でも、おとなしい転校生というポジションに。そこへ現れたのが、青いあいつ。サトシといっしょに1日を過ごすと言いだして…。

小学生のデリケートな気持ちをリアルに描きながら、青いあいつが、あっけらかんと面白い。もっともらしいことを偉そうに言って、あつかましいけど憎めない。いいなあ、青いあいつ。

真面目でデリケート vs あっけらかんと無責任。この対立の必要性。
たとえば昔なら、両親が忙しくしていても、祖父母がいたり、親戚のいい加減な叔父さんがゲームを買ってきてくれたり、犬をつれてきたり、そんなふうに社会のなかでバランスが取れていたけれど、核家族や無関心な現代社会だとそういう広がりはなかなかなく。子どもがひとたび悩みをもつと、洞窟の入口で体操座りをしているような、そんな姿が目に浮かびます。

そこへ現れたるは、あっけらかんとした青いあいつ。
つまり青いあいつは、デリケートなサトシにとっての対立精神。精神なので、それを担うのは人間よりも、正体不明な、大きくなったり小さくなったりする、ワケワカランチンな存在のほうがいい。いくらサトシが悩んでいるからって、親切を押し売りされるより、むしろ翻弄してくれるほうが、子どもだって気がラクというもの。
そしてこの本を読んだ子どもたちは、気づけばサトシのように、このワケワカランチンを自分の胸ポケットに入れている。精神バランスを手に入れて、一歩前に進むのだ。
わあ、なんかそれってすごい。

最初に、なにやら面白い本と書きましたが、なにやらすごい本なのです。
絵もすごくいい。ダントツにいい。
ぜひ読んでみてください。