2018-07-26

オペラ『魔弾の射手』。

娘のルコがオペラを観るのが好きで(生意気な中学生よね!)、ときどき二人で出かけます。

二期会主催のオペラはお値段が手頃で生意気娘にはちょうどよく、定期的にメジャーな演目をやってくれるのでありがたく、先日はウェーバーの『魔弾の射手』を観てきました。

物語をざっくり説明すると、猟師・マックスが、恋人・アガーテとの結婚をかけて射撃大会に出場することに。スランプに陥っているマックスは、ライバルにそそのかされ魔弾を使う。魔弾は7発。うち6発は思う通りに命中するが、残りの1発は悪魔の決めた的に当たる。果たして最後の1発は誰を撃ち抜くのか…。

ストーリーを予習しているとき、ルコが「悪魔はどんな衣装だろう」と楽しみにしていたのですが、いざ幕が上がると悪魔は奇抜な衣装から女装、男装と姿を替えて変幻自在に現れ、それがいちいち格好いい。休憩のときに「宝塚みたいな悪魔だね」と話しながらパンフレットを見たら、あらま、その通りでした。元宝塚の大和悠河さん。前列の人たちが「きゃーっ」なんて黄色い声援をあげていたのは、そういうことだったのね、と納得。

その大和さんが3幕で、下ろされた幕の前に立ってひとりで台詞(次の曲の訳詞)を言うシーン。後ろでセットがゴロゴロ動く音が聞こえたので、場面転換のつなぎだったのかな。台詞を言い終えて幕の後ろに入ろうとしたら、そこは幕のヒダのところで入れず、でもキメキメの表情と動きでみんなの笑いをとり、今度はちゃんと入っていったと思ったらまた出てきて、ふたたび同じ台詞を言い始めました。後ろのセットが完成していなくてアドリブだったのかしら、その一連の所作が、なんとも一流の舞台人らしく素晴らしかった。いいもの見せてもらいました。

オペラ自体は、歌はドイツ語、台詞は日本語、しかも台詞が多いので「ときどき歌う劇」という印象。
演出は現代風で、あれこれ要素を詰め込み過ぎたのか、洗練はされていない感じ。昨年見た『ばらの騎士』は都会的だったなあ、と思い出したほどです。
狼谷で魔弾をつくるシーンは、1発ごとにショッキングな演出があり楽しめました。
でもいちばん最後、物語がなぜか本来と違うところで終わり、1幕から客席の最前列で演じてきた隠者がついに歌いだして物語が再開し、そのあとすべて演じ終えたキャストたちが、その素の様子をさらに演じる(打ち上げのシャンパンパーティーが始まるとか、マックスの隣にマックスのリアル彼女がいるとか)というのは、蛇足だった気が。だってそれ、要る? 小細工が余韻を消してしまい残念でした
。好みの問題かな。

歌は、ルコと意見が一致しました。アガーテの父・クーノー役の伊藤純さんと、アガーテのいとこ・エンヒェン役の熊田アルベルト彩乃さんが良かったです。伊藤さんはその豊かな歌声から、娘のアガーテがどんなお嬢さんに育てられたのか感じ取れたほど。熊田さんはすべてが熱演。カーテンコールのときに感極まった様子でしたが、そうだろうなと思います。心から心へ歌が伝わりました。
オケもとてもよく、あの素晴らしい序曲を素晴らしく聴けて幸せでした。

いやだわ、なんか語ってる。ま、語りたくなるほど楽しめたわけです。
会場でもらったチラシのなかから、ルコはさっそく次に観たいのを見つけたようで。
そうね、また行こうね。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。